第1回 篤姫のふるさと・鹿児島
ゆかりの地 いぶすき・今和泉
篤姫は、天保7年(1836)、島津安芸忠剛(しまづあきただたけ)とその正室お幸(おこう)の間に、現在の鹿児島に生まれ、幼少期の多くを指宿の今和泉で暮らしました。
幼名は於一(おかつ)。島津斉彬(しまづなりあきら)の養女となり篤子、近衛家の養女となり敬子(すみこ)と称し、将軍の御台所となってからは、篤君と呼ばれるようになりました。天璋院とは、夫である将軍家定亡き後の名前です。
実父の忠剛は、26代薩摩藩主島津斉宣の7男で、島津本家から分かれたご一門家、今和泉家の当主。篤姫には、3人の兄と3人の妹がいました。父に似て3人の兄は体が弱く、そのため岩本村(現・指宿市岩本)にある今和泉家の別邸で子どもたちは過ごすことが多かったといわれています。
(1)今和泉島津家別邸跡
JR薩摩今和泉(指宿市岩本)の駅から徒歩5分。幼い篤姫が兄たちと遊んだ今和泉の浜に出る。別邸は、今は石垣を残すのみ。浜辺で地元の子どもにいじめられる兄をかばって、篤姫が立ち向かっていったという逸話が残る。
(2)隼人松原
篤姫も眺めたに違いない樹齢300年を越す松林。ひときわ背の高い立派な松を、ボランティアガイドの方は「お篤の松」と名づけていた。
(3)今和泉小学校
別邸の庭にあったクロガネモチの2代目が、葉を茂らせる今和泉小学校。校内には井戸や篤姫も使ったといわれる手水鉢が残されている。
(4)JR薩摩今和泉駅
駅舎には、地元ボランティアの人が案内してくれる「篤姫観光ガイド総合案内所」がある。前日までに要予約。
(5)町割
岩本には江戸時代のままの町割が残る。門から玄関へはまっすぐに入ることができないように、石垣や生垣で迂回させているのが特徴。
(6)島津忠厚隠居屋敷跡
忠厚は篤姫の祖父。幼い頃、篤姫も訪ねたことがあったと思われる。生垣と石段に往時が偲ばれるのみ。現在は私有地。
(7)タノカンサァ
いつごろ建てられたのか。1メートルはあろうかという大きな石像。地元で愛された神様には、お供えの花が絶えない。
(8)今和泉島津家墓地
篤姫の実父・忠剛や兄などが眠る墓地。五輪塔や宝篋印塔、100基あまりの灯籠がある。
(9)新永吉地区の棚田
NHK大河ドラマ「篤姫」のロケ地となった、指宿の絶景ポイント。棚田の向こうには池田湖、開聞岳が見える。
(10)本土最南端の駅
JR指宿枕崎線にある西大山駅は、本土最南端の駅。開聞岳の山容がひときわ美しく見える場所としても知られている。
(11)南国の花
温暖な指宿には、亜熱帯の花々がいっぱい。庭先を飾るハイビスカスやブーゲンビリア、極楽鳥花などが旅情をかきたてます。