「癒しの島」といわれる沖縄県宮古島は、沖縄本島から南西330㎞に位置する高温多湿な亜熱帯性海洋気候の島である。宮古は大小8つの島嶼からなり、その主島である宮古島は平良市、上野村、城辺村、下地町の4つの市町村で構成されている。ここで生産される麻織物が有名な宮古上布である。この精緻な紺絣の上布は、かつて過酷な人頭税として厳しい品質管理の下に生まれたものだったが、現在でも上質な糸を使った古風な手仕事により製織が続けられている。現在の生産量はだんだん減少して年間わずか十数反と少ないが、南国で生産される宮古上布は、雪国新潟県の小千谷や十日町、塩沢周辺に伝わる越後上布、小千谷縮と並んで、わが国の代表的な苧麻布としてその名が知られ、重要無形文化財にも指定されている。その制作工程は、糸の材料となる苧麻の栽培から、苧引き、苧を極細に裂きながら糸を績む手紡ぎ糸作り、絣の手括り、琉球藍による藍染め、機織、洗濯(砧を打つ仕上げ加工)、ぬき(補修)などの分業となっているが、いずれの仕事も優れた技術者の手に任されていて、雪深い越後の上布とは趣を異にした味わいを醸し出している。
今回の展示ではこの宮古上布のほかにも宮古の織物を多数紹介する。
展示:きもの・着尺・帯・織物・ストール・インテリアなど
実演:苧麻の手紡ぎ/宮古上布の織
主催:宮古織物事業協同組合
後援:沖縄県・平良市・日本経済新聞社・宮古新報(株)・宮古毎日新聞社・琉球 新報社・沖縄タイムス社・沖縄テレビ放送(株)・琉球放送(株)・宮古テレビ(株)
協力:宮古苧麻績み(ミヤコブーウミ)保存会・宮古上布保持団体・財団法人セイコきもの文化財団・平良市総合博物館・㈱ラインアップ
協賛:菊之露酒造(株)・「織の海道」実行委員会 |