NHK大河ドラマはどの作品も人々の心をとらえ、まさに国民的な番組として茶の間に話題を送り続けてきました。原作・脚本・演出の素晴らしさや一流俳優陣の名演技はもとより、番組に登場する絢爛豪華な衣裳も番組の魅力の一つとなっています。大河ドラマの衣裳はまさにわが国の衣裳の歴史を伝えると同時に、今日の衣生活にもデザインや色彩などにおいて大きな繋がりと影響を与えています。
財団法人セイコきもの文化財団の理事長である小泉清子は、連続して20年余りにわたり、大河ドラマの衣裳考証と制作を手がけてまいりました。そして、ドラマごとに制作された衣裳は現在も1000点余りが大切に保存されております。
本展では、これまでの大河ドラマで使用された数々の衣裳250点余りをいろいろな角度から分類し、時代背景を考慮しながら展示いたします。また、昨年放送された「武蔵」の撮影用衣裳や、本年度放送される「新選組」の衣裳も合わせて展示いたします。それぞれのドラマで出演者が着用した代表的な衣裳は、なつかしいシーンを甦らせるばかりでなく、ドラマそのものを思い出させるに違いないと思っております。